幻夜

幻夜 (集英社文庫)

幻夜 (集英社文庫)

(注:この記事にはネタばれが含まれています)
昨日、「幻夜」読み終わりました。
すっきりしなく、後味の悪い哀しい終わり方でした。
白夜行の続編と知らずに最後まで読んでしまったけれど、
本の内容としては単独でも十分に面白いです。
最後のクライマックスに至っては、姿勢を正して一気に読んでしまいました。

白夜行の雪穂と幻夜の美冬が同一人物だと知った時、
もう一度ページを戻って読んでみるとなるほど、と
思えることばかり。
でも雪穂がまだこんな残忍な生き方を続けているんだと知って、
ショックは倍増しました。

最後に男性の主人公の雅也が「俺と彼女だけの世界に入ってくるな」
と言って彼女の正体を暴こうとした刑事を刺して自分も死ぬ時に言ったセリフが、
心をナイフでえぐられたように残っています。
雅也、なんでまだそんな女をかばうの!と理解に苦しみます。
そこまで美冬を好きになったから彼は幸せだったのでしょうか。
でも、雅也は自分を裏切った美冬を許せず、
「美冬、お前は俺の魂を殺したぞ」
と殺そうと出かけて行ったのに。
裏切られても彼女への想いは変わらず、悪魔のような彼女だけが、
富と成功を手に入れ、彼はその彼女のために死んでいく。。。
哀しい、哀しいエンディング。
3部作といわれているので完結編では、
美冬の暴走を止める男性が現れるのか、
それとも彼女は永遠につかまらず、また何人もの男が犠牲になるのか、
どちらにしてもまたはまってしまいそう。
早く続きが知りたいです。